自閉症ってな〜に？

　　　　自閉症ってな〜に？　　　　こども

印刷用PDFはこちら　　　　（平成26年10月作成）　　　　　NPO法人和歌山県自閉症協会

自閉症とは心の病ではなく、脳の機能的な障害が原因と考えられています。生まれながらの発達障害の一つで、環境や育て方によるものではありません。自閉症は知的障害を伴うなら1000人に３人、知的障害のない高機能自閉症やアスペルガー症候群を含めると100人に1人はいるとされ、最近では、自閉症スペクトラム障害（ＡＳＤ）と呼ばれ、重度から軽度の連続体としてとらえられています。　自閉症の人は、一人ひとり違いはあるものの次の３つの特徴をもっています。
１対人関係や社会性の障害
	耳が聞こえていないように振舞ってしまう人や、視線を合わせられない人もいます。感情の共有が難しく、自分の思いをうまく表現できない人もいます。場の雰囲気を読むなど暗黙のルールが分かりにくいです。
２コミュニケーションの障害
	会話のやりとりをうまく進められない、おうむ返しやひとりごとが多い、同じ話や質問を繰り返す人もいます。話しことばの理解に困難を示す人が多いです。話しことばがほとんどない人もいますし、一方的におしゃべりする人もいます。
３想像力の障害（こだわりが強い）
	活動や興味の範囲が極端にせまく、特定の習慣や物に強くこだわり、急な変化に抵抗を示します。体を揺らしたり手をひらひらさせたりする人もいます。
	他にも特定の音や声、光などを嫌がったり、匂いや温度に敏感であったりします。体に触れられるのをとても嫌がる人もいます。重い知的障害を伴う人から知的な遅れのない人までいます。そして知的な遅れがない場合でも自閉症特有のこだわりから、一見、奇異にみられるような行動をとったり、コミュニケーションがうまく出来なかったりするため、周囲の援助と理解が必要です。

自閉症の人が困っていたら

入ってみたいお店があります。出かけたい場所があります。皆様のやさしい気持ちとあたたかいサポートがあれば、自閉症の人たちは安心して地域で暮らして行けます。皆様のご理解と御協力をよろしくお願いします。

　　　　　　対応の仕方のワンポイント 　　　 yasasiku

●困っているようであれば放っておかないで、まず声をかけてください。

●その際は、やさしい口調で、ことばは短く話しかけてあげてください。

●「…しよう」と肯定的に話しかけてください。ことばを理解できない人も多いので、具体的な物、絵、写真、文字、身振りなども使って、外国人に話しかけるように対応をお願いします。

●見通しをもてずに不安になっていることが多いので、わかりやすく伝えてあげてください。

●こだわりや癖が、おかしく見えたり、わがままに感じたり迷惑に思うことがあるかもしれません。本人なりに何とか自分の気持ちを落ち着かせようとしていることも多いので、危険のない限り大目にあたたかく見守ってください。

●どうしても必要な場合は、保護者や関係機関に連絡してください。

Ｑ. 自閉症者は町のどんな所で困っているの？

Ａ. 例えば、初めて入った店や施設の利用の仕方が分からないといったケース。いつも置いていた物の位置が突然変わっていて困っているケース。通り抜けたい道だけど犬がいて進めないケース。BGMや大きな音が怖くて入れない場所があるというケース。など、私たちには何でもないことが自閉症の方には大変なハードルになっていることが多いのです。

●刺激しないように、危険のないように配慮しながら、おさまるまで静かに待ってください。力づくで押さえることや、質問などことばを浴びせかけることは逆効果です。

●おさまったらやさしく、これから何があるかをお伝えください。後の見通しがつくと安心します。本人にもルールを少しずつ教えていきます。

●何よりもパニックを起こなさないですむように、自閉症の立場に立って、不快な刺激を避け、見通しのわかる環境づくりを考えていきましょう。

Q. 自閉症者が安心できる場所ってどんな所？

A. 例えば、駅、書店、大型電化店、コンビニ、ファーストフード店、遊具のある公園など。駅では見たい電車がいつでも時間通りに見られ、書店や大型電化店では好きな本や機械がきれいに並んでいます。ファーストフード店では、対応がマニュアル化して安心できます。好きな遊具が楽しめる公園も魅力的です。自閉症者の興味関心や趣味と通じています。